オシロスコープの選定は、周波数帯域と並んでサンプリングレート(Sampling Rate)が重要です。
不適切なサンプリングレートで波形を測定すると、波形が歪んだり、誤った波形を測定してしまうことがあります。今回は初心者が迷いやすい、サンプリングレートについてわかりやすく紹介します!
「測りたい信号は50MHzの正弦波だから周波数帯域は10倍あればOK。でもサンプリングレートは、どうしたらいいの?」
周波数帯域は決まっても、次はそんな疑問がわいてきませんか?
【トラブル事例で学ぶ】よくある帯域選定ミスとその落とし穴
【トラブル事例で学ぶ】よくあるサンプリングレートの疑問
以下のような正弦波を測定したところ
実例:波形を測定したところ、おかしな波形が表示された
実例:波形を測定したところ、おかしな波形が表示された
全く違う周波数の違う波形となって測定された
十分なサンプリングレートで測定したところ、以下のように正しい波形が測定できました。
原因は 「サンプリングレート不足によるエイリアシング」 でした!
原因は「サンプリングレート不足によるエイリアシング」でした!
サンプリングレートとは、アナログ信号をデジタル信号へ変換する際の1秒間のサンプル数(標本化)の事で、S/s(Sample per second)として表します。
サンプリング回数の例
サンプリングレートとは?
⇒ 1秒間に1,000回のサンプリング
⇒ 1秒間に100万回のサンプリング
⇒ 1秒間に10億回のサンプリング
サンプリングレートが不足していると、元波形とは異なった波形が再現されてしまう
エイリアシング(Aliasing) が発生します。
エイリアシングが発生してしまうと正しい評価ができず、不具合の誤判定につながる恐れがあります。
エイリアシングが発生すると…
エイリアシングとは?
サンプリングポイントが不足することで信号が歪み、元の波形とは異なる波形に見えてしまいます。
サンプリングポイントが不足することで、誤った周波数を表示してしまいます。
ナイキストの定理から、少なくとも測定したい波形の2倍以上の速さでサンプリングする必要があります。
しかし、それではサンプリングレートが不足し、エイリアシングが発生してしまう事に繋がります。
そのため多くのメーカーは、
周波数帯域の4~5倍のサンプリングレート
を推奨しています。
基本的なサンプリングレートの考え方
サンプリングレートとレコード長の関係も、波形測定には重要です。
波形を測定できる時間の長さはレコード長とサンプリングレートによって決まり、
サンプリングレートが高速になるほど、使用するメモリが増え測定時間は短くなります。
このため、必要以上にサンプリングレートを高くすると、
本来測定したい波形の一部分しか測定できなくなります。
サンプリングレートは高ければ良いというものではなく、
レコード長とのバランスが大切です。
サンプリングレートとレコード長
レコード長とは、オシロスコープがサンプリングした波形を記録できる
サンプル数のことで、メーカーによっては
メモリ長と表記される場合もあります。
オシロスコープはサンプリングしたデータを内蔵メモリに記録するため、
レコード長が長いモデルほど高価になる傾向があります。
また、レコード長(メモリ長)はオプションで増設できるメーカーもあります。
では、サンプリングレートと測定時間の関係を、
実際の設定例で見てみましょう。
サンプリングレートと一緒に理解すべき「レコード長」
サンプリングレートを上げるほど、測定できる時間は短くなり、細かく測ろうとすると、長時間は見られなくなります。
一般的なオシロスコープはインターリーブ方式(複数のA/Dコンバーターを組み合わせた方式)の回路構成を取っているものも多くあります。
例えば、1chで測定している際にはオシロスコープの最高サンプリングレートを設定出来ますが、
複数chで測定している場合にはサンプリングレートが低下する機種もある
ので注意が必要です。
※「1chでは最高、複数chでは低下」の仕様は機種によって異なります。
一般的なオシロスコープは、時間軸(Time/Div)の設定でサンプリングレートは変わってしまいます。
そのため時間軸を長く設定して測定すると、
オシロスコープのサンプリングレートを高く維持出来ないことがある
ので注意が必要です。
測定チャンネル数とサンプリングレートの落とし穴
時間軸(Time/Div)とサンプリングレートの落とし穴
まとめ:オシロスコープのサンプリングレートは高ければいいとは限らない
ポイント:
サンプリングレートは「高ければ安心」ではなく、周波数帯域・レコード長・測定条件とのバランスで決めるのが重要です。
✓オシロスコープのサンプリングレート選定のチェックリスト
まとめ:オシロスコープのサンプリングレートは高ければいいとは限らない
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