オシロスコープの測定は、使うプローブ次第で結果が大きく変わります。
特に注意が必要なのが入力インピーダンス容量の違い。同じパッシブプローブでもしようが合わないと、波形が歪んだり周波数特性が正しく見えなかったりすることがあります。 今回は、やむを得ず他社製プローブを使用する際のチェック方法やトラブルの原因・対策を実例でわかりやすく紹介します!
「他社製のパッシブプローブって使っても大丈夫ですか?」という質問をよくいただきます。
本記事を読んでくださっている方のなかにも、純正以外の使用に不安を感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言えば、
「入力インピーダンス容量がオシロスコープの仕様に適合していれば、他社製でも使用できます」。
逆に、適合していないと、波形が乱れて正確な測定ができなくなる可能性があります。
今回は、「メーカーではなく“仕様の一致”が重要」という視点で、よくあるトラブルを元に解説します。
【トラブル事例で学ぶ】
お客様から「付属のパッシブプローブが見当たらなかったので他社製を使ったら、波形がブレて測定できない」
とのお問い合わせがあり、現場で確認を行いました。
現場で確認したところ、以下のような症状が見られました:
トラブル内容:「他社製パッシブプローブを使ったら波形が乱れた」― よくあるお問い合わせより
オシロスコープには、入力インピーダンスと入力許容容量があり、機種・メーカーによって値が異なります。まず確認したいのは“仕様の一致”。以下の手順で確認しましょう。
プローブの入力インピーダンス容量(pF)を確認
→ プローブがオシロにかける負荷(容量成分)を仕様書で確認
オシロスコープの入力許容容量を確認
→ 例:15pF ±2pF など、許容範囲を確認
数値が一致しているか(許容範囲内か)を判断
→ 合っていれば測定可/ズレがあると波形歪み・測定誤差の原因に
原因究明のためのチェック手順
原因は 「インピーダンス容量のミスマッチ」 でした!
今回の原因は、プローブの入力容量(キャパシタンス)がオシロスコープの許容範囲を超えていたこと。
その結果、インピーダンスのミスマッチが発生し、次のような影響が出ました:
・信号の立ち上がり/立ち下がりが丸まる ・高周波成分が減衰し、矩形波が正しく再現されない ・外来ノイズやリンギングが強調される
つまり、「仕様の不一致」によって補償が効かず、本来の信号とは違う形になり波形が乱れていたのです。
オシロスコープとパッシブプローブには、それぞれ入力インピーダンスが規定されています。
入力インピーダンスは抵抗成分(1MΩ)と容量成分(数十pF)の組み合わせで成り立っており、これが合っていないと信号源に余計な負荷がかかります。その結果、以下のような現象が起こります。
なぜ入力容量(キャパシタンス)の違いで波形が乱れるの?
プローブ仕様書に記載された入力容量(キャパシタンス)を確認する
オシロスコープの仕様範囲内に収まっていることを確認する
プローブ接続後に補償調整(Compensation Adjustment)を必ず行う
信号周波数、電圧範囲、プローブの減衰比(例:10:1)が適合しているかもチェック
高電圧測定では安全規格(CAT II / CAT III 等)や最大定格電圧も必ず確認する
どうすれば防げる?
今回のトラブルの原因は「他社製だから」ではなく、パッシブプローブの入力インピーダンス(特に容量成分)がオシロスコープの仕様に合っていなかったことでした。
純正品は互換性が保証されているため安心ですが、他社製を使用する場合は必ず仕様チェックと補償調整を行うことが大切です。
ただし、専用インターフェースを持ったプローブや高周波測定用のプローブなどは、オシロ本体との組み合わせで特性が保証されるので、他社製を使用することは基本的に出来ません。パッシブプローブは仕様が合っていれば他社製でも使えることはありますが、性能低下や誤差・安全性リスクを考えると純正使用が基本と考えるべきです。
あくまでメーカー保証外の使い方であることを忘れず、慎重に運用してください。
✓測定前にチェックしよう!
まとめ:大事なのは「仕様の一致」
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