波形が崩れる…?それ、プローブ補正をしていないせいかも!
測定前のひと手間で、波形がグッと安定することもあります。
今回は“プローブ補正”のやり方と注意点を、漫画と実例でわかりやすく紹介します!

オシロスコープを使用する際に、「波形が歪んで正しく表示されない」というトラブルに遭遇したことはありませんか?
本記事では、実際に現場で起きた事例をもとに、波形異常の原因と対処方法、そして意外と見落としがちなプローブ補正の重要性について解説します。
あるお客様から、「オシロスコープの表示波形が異常で、正確に測定できない」というお問い合わせがあり、訪問を行いました。
問題のオシロスコープでは、以下のような症状が確認されました:
・波形がゆがんでいる
・立ち上がりや立ち下がりが鈍い
・信号の形が本来の波形と明らかに異なる
現場では、消去法によるトラブルシューティングを行いました。
以下のステップで原因を切り分けていきます。
・プローブが正しく差し込まれているか
・ケーブルや端子に破損がないか
・他のチャンネルや正常なプローブに差し替えて、波形が改善するか確認
・他の信号源を接続しても異常が再現されるかを確認し、本体不良を除外
・オシロスコープ本体の「プローブ補正端子(キャリブレーション出力)」に接続し、プローブ補正を実施
結果的に、プローブ補正が実施されていなかったことが原因で、波形が正しく表示されていませんでした。
補正前後の波形を比較すると、以下のような違いが見られます:
| 状態 | 波形の様子 |
| 補正前 | 立ち上がりが丸くなり、波形がゆがんでいる |
| 補正後 | 立ち上がりが鋭く、理想的な矩形波に近づく |
プローブ補正(プローブキャリブレーション)は、オシロスコープとプローブの間で発生する時間軸・周波数特性のズレを補正する作業です。
特に10:1アッテネーションタイプのパッシブプローブでは、補正が不十分だと次のような影響が出ます:
・波形が丸くなり正確な電圧・時間測定ができない
・周波数特性が崩れ、信号の高周波成分が正しく表示されない
・トラブルシューティングが誤った方向に進む恐れ
オシロスコープ本体の「キャリブレーション出力端子」にプローブを接続
波形を表示させ、矩形波になるように調整用ドライバーで補正
理想的な波形になるまで微調整
今回のように、オシロスコープのトラブルは「基本的な使い方の確認漏れ」が原因となることが少なくありません。
✓チェックリストで再確認しよう!
プローブはしっかり接続されているか
プローブの補正は行ったか
オシロスコープ本体の設定に問題はないか
【担当者のつぶやき】
はじめまして、本コンテンツの制作担当者です!難しい計測器の知識も、漫画なら楽しく学べるのでは?という思いから漫画を作ることにしました。
なかなか思うように生成できず試行錯誤しています。より見やすく、わかりやすい内容をお届けできるよう頑張りますので、(おかしなところも大目に見て)どうか温かい目で見守ってください!
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