オシロスコープの波形が安定しない…。そのノイズ、測定距離が原因かも!
実は“グランドの取り方”ひとつで改善できることも。
今回は、付属のグランド・スプリングを使った対策を、漫画と実例でわかりやすく紹介します!
オシロスコープで波形を測定していると、「なんだかノイズっぽくて正しく見えない…」と感じたことはありませんか?
今回は、実際の現場で発生した事例をもとに、波形の乱れの原因と改善方法、そして意外と見落とされがちな“グランド・スプリング”の効果について解説します。
ある技術者から「オシロスコープで測定しても、ノイズに埋もれて信号がうまく表示されない」と相談を受けました。
現場で確認すると、以下のような症状が見られました:
・波形全体に細かいノイズがのっている
・パルスの立ち上がりや立ち下がりが鈍く、波形が丸まっている
・信号の形が設計値と明らかに異なる
現場でのチェックは以下のステップで実施しました。
→ プローブと測定点が遠く、グランドリードが長くたるんでいた
→ パッシブプローブの先端に通常のワニ口クリップを使用していた
→ 箱に入っていた「グランド・スプリング」を発見
通常のグランドリードは長さがあり、そのぶんループ面積が広くなってノイズを拾いやすい構造になっています。
一方、グランド・スプリングを使うことで測定対象との距離が極めて短くなり、ループが最小限になってノイズの影響を抑えることができます。
オシロスコープのパッシブプローブは、高周波成分が含まれる信号を測定する場合、グランドリードの長さが大きく影響します。
長いグランドリードがノイズのアンテナとなり、以下のようなトラブルを引き起こします:
高周波ノイズの混入
パルス波形の立ち上がり/立ち下がりが丸まってしまう
実際と異なる波形表示(誤認識リスク)
測定対象に短く密着した状態でグランド接続を行うための付属部品。ループ面積が小さい=ノイズに強い!
グランドリードを外す
プローブに付いている黒いワニ口の線を外します。
スプリングを取り付ける
先端にグランド・スプリングをカチッとはめます。
測定ポイントに当てる
プローブの先とスプリング両方を、信号とGNDにぴったり当てて測定!
「波形が変」「本当に信号がこうなの?」と思ったら、測定器ではなく接続方法の見直しが大事かも。
✓チェックリストで再確認しよう!
プローブの接地線は長すぎないか?
グランド・スプリングなどの付属部品を使っているか?
プローブの先端が測定点にきちんと密着しているか?
【担当者のつぶやき】
こんにちは、本コンテンツの制作担当者です!4コマ豆知識漫画2作目です。この漫画で一番苦労した点・・・。はい、そうです「グランド・スプリング」の作画です。
実はグランド・スプリングをわかっておらず、それなんやねんから始まり、こんなのあるんだ!!と非常に勉強になりました。何を隠そう私も、しんくんと同様に計測器の勉強している最中でございます。
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