計測器豆知識【オシロスコープ編】
オシロスコープの波形が乱れる?そのノイズ、グランドの距離が原因かも!

オシロスコープの波形が安定しない…。そのノイズ、測定距離が原因かも!

実は“グランドの取り方”ひとつで改善できることも。

今回は、付属のグランド・スプリングを使った対策をわかりやすく紹介します!

▶オシロスコープの基本知識編はこちら

【トラブル事例で学ぶ】波形が乱れる原因は?見落とされがちな“接地の取り方”

オシロスコープで波形を測定していると、「なんだかノイズっぽくて正しく見えない…」と感じたことはありませんか?

今回は、実際の現場で発生した事例をもとに、波形の乱れの原因と改善方法、そして意外と見落とされがちな“グランド・スプリング”の効果について解説します。

トラブル内容:ノイズで波形が乱れてしまう…

ある技術者から「オシロスコープで測定しても、ノイズに埋もれて信号がうまく表示されない」と相談を受けました。

現場で確認すると、以下のような症状が見られました:

  • 波形全体に細かいノイズがのっている
  • パルスの立ち上がりや立ち下がりが鈍く、波形が丸まっている
  • 信号の形が設計値と明らかに異なる

原因究明のためのチェック手順

現場での確認は、次のような手順で進めました。

1

接続距離の確認

→ プローブと測定点が遠く、グランドリードが長くたるんでいた

2

プローブ先端の確認

→ パッシブプローブの先端に、通常のワニ口クリップを使用していた

3

付属品の再確認

→ 箱の中に「グランド・スプリング」が入っていることを発見

そこで、プローブの接地方法をグランド・スプリングに変更してみることにしました。

原因は 「グランド・リードが長すぎた」 でした

一般的なパッシブプローブに付属しているグランド・リードは、ある程度の長さがあります。

このリードが長いままだと、信号線とグランド線で大きなループが形成され、 ノイズを拾いやすい構造になってしまいます。

その結果、本来の信号とは異なる波形が表示されてしまっていたのです。

グランドの長さが波形に与える影響

オシロスコープのパッシブプローブで高周波成分を含む信号を測定する場合、 グランドの取り方(長さ)が波形品質に大きく影響します。

グランド・リードが長いと、それ自体がノイズを拾うアンテナのように働き、 波形に“それっぽい乱れ”が混ざりやすくなります。

長いグランド・リードで起こりやすいこと

  • 波形全体に高周波ノイズが乗る
  • パルスの立ち上がり/立ち下がりが丸まって見える
  • リンギングやオーバーシュートが強調され、“実際より悪く”見える
  • 結果として、設計値との比較や原因切り分けを誤りやすくなる

▶ グランド・スプリングとは?

プローブ先端に取り付けて、測定点の近くで最短距離の接地ができる付属部品です。
ループ面積を小さくできる(=ノイズを拾いにくい)ため、波形が安定しやすくなります。

グランド・スプリングの使い方(かんたん手順)

グランド・スプリングは、正しく使うことでノイズ低減に大きな効果があります。 使い方はとてもシンプルで、次の手順でOKです。

グランドリードを外す

プローブに付いている黒いワニ口のグランドリードを外します。

スプリングを取り付ける

プローブ先端に、付属のグランド・スプリングをカチッとはめます。

測定ポイントに当てる

プローブ先端を信号点に、スプリング部分をGNDにできるだけ近づけて当てて測定します。

まとめ:ノイズっぽい波形、まずはグランドを疑え!

「波形が変」「本当に信号がこうなの?」と思ったら、測定器ではなく接続方法の見直しが大事かも。

✓チェックリストで再確認しよう!

  • プローブの接地線は長すぎないか?
  • グランド・スプリングなどの付属部品を使っているか?
  • プローブの先端が測定点にきちんと密着しているか?

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